バリウム検査でひっかかった場合、胃カメラは受けるべきか?

バリウム検査で引っかかった場合、心配になると思います。
今回はその心配が少しでも和らぐための記事となればと思っております。
検査結果の見方が分かれば、少しは安心できるのではないでしょうか?
詳しくご説明いたします。

専門分野
- 一般内科
- 消化器内科
- 血液内科(貧血の診断と治療など)
資格
- 日本血液学会 血液専門医
- 日本内科学会 総合内科専門医
- 日本消化器病学会 消化器専門医
- 日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医
バリウム検査でわかることは?

バリウム検査の見方
バリウム検査は胃の形、粘膜の凹凸がよくわかる検査です。
胃の形はスキルス型の胃癌ではふくらみが悪くよくわかります。
また胃下垂は内視鏡よりわかりやすいです。凹凸は胃潰瘍、早期胃がんがわかります。
陥凹型の早期胃がんはバリウム検査でも見つかりますが、色調変化型の早期胃がん(発赤だけ)は凹凸がないので胃内視鏡検査をしないとわかりません。
バリウムで再検査はよくあること
バリウム再検査 隆起
隆起型の胃癌、粘膜下腫瘍(GIST)、ポリープなどがわかります。生検検査(組織をとって顕微鏡で診断します)などが必要なので再検査は胃内視鏡検査が必要です。
バリウム検査 胃炎疑い
ピロリ菌に感染すると多くの人が慢性胃炎(慢性萎縮性胃炎)になり胃癌になるリスクはピロリ菌未感染の人の10倍以上と高くなります。2重造影(陥凹面にバリウムを入れる撮影)で胃粘膜の凹凸を見つけたり、胃の粘膜ひだの太さから疑います。胃内視鏡検査やピロリ菌の感染を確認する必要があります。
バリウム引っかかる確率
年齢、ピロリ菌感状況により異なるので一概には言えません。現在60歳以上ではピロリ菌感染率が高く、60歳以下では感染率が低いためやはり高齢者ほど引っかかる確率は高くなります。
バリウム胃癌の疑い
胃内視鏡検査に比べて早期胃がんの発見には精度が低いのでややオーバー目に再検査(胃内視鏡検査)をお勧めしています。指摘部位と異なるところからしばしば早期胃がんが発見される少なくありません。
胃内視鏡検査の要精密検査は必要なのか?
バリウム(胃X線)検査の読影医は、悪性疾患の見逃しに注意していますので、過剰にチェックする場合もあります。
しかし指摘部位以外で病変が見つかることも多くあるので、胃内視鏡検査を受けておくほうが無難です。
早期胃がんで発見されれば胃切除手術は受けなくても、内視鏡で胃粘膜切除術が可能なことも多いので、多数のメリットがあります。